パレスチナ

 気候: パレスチナは日本の関東地方よりも小さく、約3万Kuしかありませんが、「ヨルダン地溝の端から端までの間に、亜熱帯と亜寒帯の間のすべての気候がある。エリコには熱帯のシュロがあり、レバノンには亜寒帯のスギがある。夏のヨルダン地溝の気温は45℃にも上がるが、その同じ場所からヘルモン山頂の白雪が眺められる。カルメル山頂に登れば、この両極端の間に砂浜と海岸のシュロ、エスドラエロンの麦、ガリラヤの樫やイチジク桑の木、そしてヘルモン山の雪が一望できる」(G.A.Smith)とあるように、関東地方よりも小さい地域に、日本の春夏秋冬を思わせる気候を同時に持ち合わせた特異な地域です。

 地形: 東から西へ、アラビア砂漠→東側山脈→ヨルダン地溝→中央山脈→海岸平野→地中海に至ります。断面図はアラビア砂漠から海岸平野までを単純化すると、東から西へ凸凸の形になります。北は、雪を被るヘルモン山(標高2795m)からヨルダン地溝に沿って→ヒュ−レ湖(海抜2m)→ガリラヤ湖(海抜−190m)→死海(世界に類を見ない海抜-393m)まで距離にして、約180Km(東京→静岡間)しかありませんが、標高差は約3200mもあります。この地形に東西の地形が加わって、パレスチナの国土を多くの特殊地域に区分し、その個々の地域に各種族、異民族が各歴史を背景に生存する地域です。

 「神の摂理より見た聖書の歴史・地理−改訂新版」では、各種地図・図版・年表を見ながら、複雑な聖書の背景となっている歴史と地理を分かりやすく解説しています。


地図のページへ戻る top