「聖地」を訪ねる旅 1997年1月3日〜1月14日
                「聖書の友」(1997.03月号から編集)
 私は今から40年以上も前、ある事からパレスチナに特別な関心と興味をもちました。その結果、私の恩師から教えられた参考書や地図を探すのに夢中でした。この参考書を探すために、米国や英国の古本屋へ、次々と航空便を送って探してもらいました。1960年、英国のある古本屋は、ついにそれを探してくれました。

 私はやっとの思いで手に入れたアダム・スミスの聖書の歴史・地理の参考書を、喜びつつ繰返し読みました。700頁ほどの大冊ですが、こんなに楽しい学びはありませんでした。私は恩師に対する感謝と共に、一人でも多くのクリスチャンの方々に、「聖地」を学ぶことの喜びを分かち合いたいと思い、勤めを辞めてこの学びに専念しました。私の新しい人生の始まりでした。そして、10年以上もかかってやっと小さな本にまとめることができました。題して、「神の摂理より見た聖書の歴史・地理」です。

 この学びの間、私は幾度となく夢でパレスチナを旅しました。そのような訳で、彼の地をどんなに訪れたいと願ったことでしょう。この小著が世に出てから25年になりますが、この間多くの日本人が聖地に行くようになりました。私のように聖地を訪ねていない者がそこの地理を書いたことに、少し不安を感じてきたのです。再版を出す前に、現地を確かめたいと思うようになりました。

 1997年、ついに長年の夢が実現したのです。現地での長いバス旅行も眠ることなく、山や谷や海を見つづけました。そして私が40年前に学んで書いた事が、ほとんど訂正の必要がないと分りました。この旅で確認できたことに、ヘレニズム時代とロ−マ時代、更に地図・図版・年表などを追加し、2002年、私はようやく「神の摂理より見た聖書の歴史・地理」改訂新版を上梓することができました。
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