創世記

本文「はしがき」から抜粋

創世記は、聖書66巻中、最初に記されています。その内容は、今より約3500年から4000年以前のものです。今日の中東地域(イラク、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル、エジプト)を背景に生きた一民族の歴史記述であり、信仰物語とも言えるものです。キリストが誕生する遥か千数百年も以前に、その予告と必要性とを、私たちは創世記の中に読み取ることができます。ノアの物語、バベルの塔、アブラハム・イサク・ヤコブなどの物語の中に、今日私たちはいかに生きるべきかの指針を見いだすことができます。ヨセフ物語を読む毎に、著者は涙せずにはいられません。

もし私たちが心を低くして創世記をひもとくならば、それは私たちを、永遠に渇くことがない生命の泉にまで導いて行ってくれるでしょう。聖書全体をよりよく、より深く理解し得るためには、私たちは創世記を繰り返し読み、親しみ、それらの記事を心の中に深く刻み込むことが必要です。そのために、本書が少しでも読者の役に立つようにと願ってやみません。

多くの愛と援助とによって生まれた本書が、読者一人一人に、神を愛し、主イエス・キリストを愛する心を芽生えさせ、また一層強くさせる事を切望してやみません。
【1985年5月29日  福田秀雄】
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